ゴスペルの想いが響き、祈りを込める形のチャペルが誕生

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建築地は、宮城県内の国道沿いにある大型団地の一角。信号待ちで、建物の全景が見える高台に位置する教会です。建築地の隣でツーバイフォー工法の病院をリフォームし、住宅兼教会として運営されていましたが、駐車場として借りておられた土地を寄贈されたことから、新たな教会を建築したいとのご相談をいただきました。牧師様のご要望やイメージを丁寧にヒアリングしながら、ご予算内に収まるようご提案プランを熟考。「聖堂(礼拝堂)」と「ホワイエ(多目的ホール)」を備えるとともに、ゴスペルの演奏や歌声が美しく響く、防音・音響効果にも優れた教会が完成しました。

高低差による2元対比の手法で、感動を生む天井高を実現

天井の⾼さに⾼低差をつけることで、狭い空間との対比効果によって生じる大空間の感動を味わえる設計としました。小規模な玄関から「ホワイエ」へ入ると一気に天井が高くなり、建物中央部へ進むのに伴い天井が低くなります。そしてそこを抜けると、勾配天井の「聖堂」があり、天に向かって広がりを感じる大空間となっています。「バルーン工法」と「プラットフォーム工法」を合体させた構造で、「火打ち」が不要となり、より開放感あふれる空間となりました。

「LOW」・「HI」・「LOW」・「HI」の2元対比の手法を採用

構造イメージ図

ゴスペル礼拝が心おきなく行える設備や工夫を随所に

モノトーンでまとめた聖堂は、牧師様が好きなレッドの壁をアクセントに配しています。このアクセントウォールは残響をコントロールする吸音パネルになっており、有孔板とロックウールを1枚ずつ布で包み作成しました。さらに、窓を二重にするなど防音対策を図るとともに、気持ちよくゴスペルを演奏し歌えるよう、音響効果にも十分配慮しています。ホワイエとの仕切りには、スライドドアを採用。ドアを全開にして1つの空間として利用するなど、イベントに合わせてフレキシブルに使うことが可能です。

〈聖堂〉

センターの白い床は、挙式の際にはバージンロードにもなる

楽器やマイクなどの配線はすっきりと隠し、左後部にミキサーのコーナーを設置

 

白を基調とした明るい大空間。南側の大きな掃き出し窓からは町の景色が望める

スライドドアで聖堂と仕切り、休憩や歓談のスペースとしても活用できる

 
〈トイレ・納戸〉

可動式手すりなどがある多目的トイレ。階段横には男子用トイレも設けた

天井に⾼低差をつけたことで生まれた小屋裏を収納スペースに

 

高低差による2元対比の手法で、感動を生む天井高を実現

室内空間への効果を考慮して生まれた、特徴的な外観。『Victory CHAPEL』という教会名の頭文字である「V」字型になっているだけでなく、聖書を開き持った形、聖書の⾔葉にある「鷲のように翼を広げる」形にもなっています。デザインとしてモダンな印象を与えるだけでなく、この形こそが教会の象徴となりました。

V字型の形状が特徴的な外観。内観と合わせ、モノトーンカラーでモダンな印象に

物件データ

用途 チャペル
地域 宮城県
工事概要 新築
工期 3か月
土地/延床面積 110.15㎡
構造規模 木造平屋建
地域区分 指定なし
工事費 約1,850万円
設計・施工 積水ハウス建設東北株式会社
after

平面図

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